松木明好教授の論文が国際誌『The Cerebellum』に掲載されました。

  • 2025/10/16
  • リハビリテーション学部

本学リハビリテーション学部理学療法学専攻の松木明好 教授らの研究成果が、国際神経科学誌『The Cerebellum』(IF: 2.7)に掲載されました


本研究は、両手を協調させて行う動作(interlimb coordination)の学習過程における小脳の役割を明らかにしたもので、右小脳半球への反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)が、視覚運動変換課題における学習や適応にどのような影響を及ぼすかを検証しました。42名の健常成人を対象に、左右の手で異なる操作を行う課題を用いて、初期学習期と干渉適応期(以前に学習した動作との干渉が生じる段階)に分けて解析しました。
その結果、rTMSは初期学習には影響しない一方、干渉適応期において追跡誤差を有意に低下させ、左右手間の誤差干渉を軽減させることが明らかとなりました。これにより、小脳が学習中の内部モデルの更新や左右手協調の柔軟な再構築に中心的役割を果たしていることが示唆されました。

本成果は、小脳ニューモジュレーション(脳刺激)による運動学習促進メカニズムの理解を深め、将来的な神経リハビリテーションへの応用が期待されます。


論文タイトル:Cerebellar Hemispheric Contribution to the Dynamics of Visuomotor Learning during Interlimb Coordination: Insights from an rTMS Study(両手協調運動中の視覚運動学習ダイナミクスにおける小脳半球の寄与:rTMS研究からの知見)


著者:Akiyoshi Matsugi, Keisuke Tani, Satoru Nishishita, Naoki Yoshida, Nobuhiko Mori, Koichi Hosomi


掲載誌:The Cerebellum, Volume 24, Article number 162 (2025)


論文URL:https://rdcu.be/eKhYF

一覧へ戻る