【教員の研究成果】脊髄小脳変性症・多系統萎縮症における生活上の困難を明らかにした全国調査結果を国際誌に発表
- 2025/06/13
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リハビリテーション学部
本学リハビリテーション学部理学療法学専攻の 松木明好 教授は、関東学院大学(元・国立精神・神経医療研究センター)の近藤夕騎 先生らと共同で、脊髄小脳変性症(SCD)および多系統萎縮症(MSA)患者の生活上の困難とその実態についての全国調査研究を実施し、成果を国際神経科学誌『The Cerebellum』(IF:2.7)に発表しました。
本研究では、全国脊髄小脳変性症(SCD)・多系統萎縮症(MSA)友の会に所属するSCD・MSAに罹患された方を対象に郵送調査を行い、歩行可能群と歩行困難群の間で日常生活における困難の実態を比較しました。その結果、歩行困難群では更衣・入浴・排泄など多くの基本的動作において有意に高い頻度で困難が報告され、歩行障害の進行に伴ってリハビリテーションニーズが大きく変化することが明らかとなりました。
また、「ふらつき」「話しづらさ」「転倒リスクの増加」が、歩行可否にかかわらず共通して日常生活に最も大きな影響を与えていることも判明しました。これは、運動面だけでなく、心理的・社会的側面も含めた多職種連携による包括的なリハビリテーションの重要性を示唆しています。
本研究成果は、今後の個別化リハビリ介入や支援制度の改善に貢献する基礎資料となることが期待されます。
◆ 論文タイトル
What are the Key Challenges Faced by Spinocerebellar Degeneration and Multiple System Atrophy Patients in Daily Life?: Insights from a Comprehensive Questionnaire Survey in Japan
◆ 掲載誌
The Cerebellum, 2025年、Vol.24:78